薬による治療

鎮静状態を保つパニック障害の原因ははっきりと解明されていませんが、パニック発作は例えていうならば、緊急時でもないのに体の警報装置が誤って働いてしまい、体全体に非常事態宣言を引き起こした状態と考えることができます。 この体の誤作動を薬でとどめて、起こさないようにすることはできます。

体の神経は、ある一定以上の刺激が与えられないと反応しないのです。 しかし、ある一定以上の刺激が加えられ、興奮を繰り返していると、その刺激が始めほど強くなくても興奮するようになっていきます。 つまり興奮によって次の興奮を起こしやすくしているのです。 反対に鎮静状態を保つと刺激を与えても輿奮しなくなってきます。

パニック障害の薬による治療は、この鎮静がさらなる鎮静を呼び起こすことを期待して行われます。 ですから、まず、薬によって誤作動をおさえ、非常事態をおさめることが重要な訳です。

パニック障害の根治療法は現在のところありませんが、薬でパニック発作をおさえる対症療法によって、神経の興奮を静め、その状態を持続させることで、簡単に興奮しない状態を作り出し、対症療法以上の効果(体質を変えてしまう)を生むわけです。 このようなことから、パニック障害の薬による治療は根治療法ではありませんが、単なる対症療法ともいえないのです。
 

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