遺伝的な影響

m4.jpgパニック障害は、不安が起こりそうもない状況で突発的に不安発作が生じます。 不安は、外界の状況に反応して起こるというより、体の内側から出てくるのです。このような不安を内因性不安と呼び、素質と関係が深いと考えられています。 素質は遺伝素因をもとにして、さまざまな後天的影響を受けて出来上がっていきます。

パニック障害の患者を持つ家系を調べていくと、パニック障害の中のある一群はうつ病、アルコール中毒症及び恐怖症と大変関係が深いことがあることが分かってきました。 パニック障害に、うつ病が起こってきた例や、パニック障害とアルコール中毒症が合併することもあります。

ある研究によると、パニック障害の患者の血族にパニック障害、うつ病、またはアルコール中毒症の何らかが一つ以上ある確率は約40%でした。これは大変頻度の高い数字です。

うつ病もアルコール中毒症も、その根底には不安があって発症すると考えられています。 もともと不安を持ちやすい遺伝的な素質があり、その素質に対する環境的な影響の受け方が異なり、パニック障害だったり、うつ病だったり、アルコール中毒症だったり、種々な病気としてあらわれてくるのだと考えることもできます。

もちろん、パニック障害をすべて遺伝性によって説明することは出来ません。 素質、すなわち、体質・気質は、遺伝素因をもとにしてはいますが、環境やストレスの影響を無視することはできません。

つまりパニック障害は、親から受け継いだ不安を抱きやすい体質、またはパニック障害に傾きやすい体質をもとにして、種々な後天的外因(環境・ストレス)が加わって生じたと考えておくべきでしょう。
 

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