自立訓練法による治療

不安を感じたり、興奮したりしたとき、落ち着こうと思ってもなかなか落ち着けず、ますます不安になってパニック障害になってしまうものです。 このような不安を感じた時は、体の緊張感を解くことで心の緊張を和らげることができます。

この体の緊張を解く方法、つまり、リラックスのしかたを段階的に身につけていくことが自律訓練法(リラクゼーション)です。

自律訓練法は心身相関、つまり自律神経系の鎮静状態がこころのリラックスを引き起こすことを利用したものです。もう少し詳しくいうと、自律神経は自分の意思で動かすことのできない神経系ですが、自分の意思で動かせる運動神経を順序だてて使うことによって、間接的に自律神経をコントロールするというものです。

自律訓練法の基本は筋肉をゆるめることです。 体の力を抜く筋肉はゆるみ、全身の毛細血管は拡張して血液の循環がよくなります。そうすると皮膚の電気抵抗は低下し、皮膚温が上昇します。

このような生理的現象は、オートトレーナーという機械で客観的にモニターすることができます。 このモニターによって筋肉のゆるみの程度をリアルタイムに知り、筋肉をゆるめるコツを自ら体得していくことができます。

自律訓練法でもう一つ大切なことは呼吸の調節です。 意識的に、深く、静かに、ゆっくりと腹式呼吸を行います。 こうすると気分が落ち着き、安静にして目を閉じているときの脳波であるアルファ波が増加します。 このしくみを利用して脳波をモニターすることによって自分の鎮静状態を知り、アルファ波の増加をさらに深めていく自律訓練器もあります。
 

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